Friday, August 31, 2007

福岡大学の日本建築学会大会に参加する



2007.08.31

2007は年度日本建築学会は福岡大学で開催された。今年、国広研究室からは5本の研究発表を行った。国広研が大会で研究報告を始めたのは昨年からだ。昨年は佐藤誠君、近藤雅哉君、中鉢裕行君の六本木ヒルズについて、そして三村豊君のインドネシア・メダンにおける鉄道官舎建築の増築と変遷についての発表の2本だった。今回は9名のM1が、また3月に修士課程を修了した坂本徹君がバングラデッシュのオールド・ダッカ地区の研究を発表した。それぞれ無事に発表し終え、夏休みの建築への旅に出かけていった。僕は、JABEE(日本技術者教育認定機構)のパネルディスカッションで司会を務めた。今回は2年連続のPD参加であったが、UIAバリデーションの認定を目指して大学院JABEEを来年にスタートし、学部4年+大学院2年のシステムを立ち上げる中、JABEE認定校増強に力を入れなければならない事情があるからだ。最近、日本は国際政治、経済の土俵でも、また、こういう建築界の国際的な場面でもどうも内向的であり、実際には孤立してしまうのではないかと気がきではない。ほんとうはもっと自分の身の回りの研究や設計活動に力を入れなければならないのだか、いつしか国際的視野にたった活動に走ってしまう今日この頃なのだ。
建築巡りが限られた時間で行った。28日の午後福岡入りし、福岡アクロスで開催された「21世紀アジアの環境建築を創造する」というシンポジウムを聴講した。アジアからは中国の張英和氏と韓国のCho Minsuk氏が参加していた。張さんは5月にテキサスであったとき以来、Choさんは7月にクアラルンプールで会ったばかりだ。二人ともアジアを代表する若手建築家たちだ。会場となったアクロスは環境建築の成功例ともいえる自然と建築の融合だ。結構感激した。また、大会最終日の午後、大会に参加していたシーラカンスの工藤和美さんが何人かの仲間を会場近くに最近完成したさつき幼稚園を案内してくれたのに参加した。木造、RCの幼稚園は博多湾を眺望する豊かな敷地に建っていた。子供スケール、先生の管理体制を重視した広々とした暖かみが感じられる空間。まだ新しい木構造が美しかった。ポニーやウサギくんたちと遊べる園児たちがうらやましい。そういえば、この間、大学で同僚の南康裕さんが設計した西麻布のレストランを当事務所の谷田君に案内してもらったときに、近所に僕が半世紀前に通ったみこころ幼稚園に遭遇した。それは言葉に表せない感動の一瞬だった。


【GK】

Tuesday, August 28, 2007

香港ではシンポジウムと広東料理...飲茶も!




2007.08.10

マレーシアでの会議が終わり、香港へと向かった。香港を訪問するのは4年ぶりになるのではないか?前回は安藤忠雄さんと国際デザインシンポジウムに出席した。今回は8月6日から9日までの滞在だった。香港中文大学(CUHK)で行われる「アジアの文化的公共圏」をテーマとしたシンポジウムにパネリストとして出席するためだ。CUHKは雑然とした香港の中心部から電車で30分ほど行った緑の丘の中腹に建っていた。生憎、雨だったが僕たちはシンポジウムに集中し、無事に発表と討論を終えることが出来た。久しぶりの香港だったので、真夏の炎天下の中、町を歩き、香港的都市空間の写真を撮りまくった。通りにキャンテレバーで突起する巨大な看板群。高層集合住宅ラッシュの風景。香港とカウルーンを結ぶフェリーとハーバー風景。香港サイドのピークの眺望。どれを見てもとってもやっぱり香港は魅力的だ。また、植民地建築と現代建築が共生し、町並みを豊かにしているのにも目が引かれる。僕たちは滞在中、飲茶2回、そして日本では味わえない香港料理を毎晩満喫した。
帰国して、また、香港へ行きたくなった。

                                                           【GK】

Saturday, August 04, 2007

国際アジア学者会議2007に出席!



2007.08.03

また、クアラルンプールにやってきた。81日から9日まで、ここマレーシアと香港で学術会議とシンポジウムに参加するための海外遠征を行っている。今回はInternational Conference of Asian Scholars (ICAS)という国際アジア学者会議に出席するためだ。会場は先月と同じクアラルンプールコンベンションセンターということもあり、慣れた環境だ。会議では、国士舘大学アジア日本研究センターの一員として、「アジアにおける文化的公共圏の可能性」というテーマで4人のパネリストの一人として論文を発表した。21世紀アジア学部の土佐昌樹、青柳寛、佐藤研一氏らとそれぞれの論文を発表し、カナダのNova ScotiaにあるSt. Mary’s UniversityZoreh Bayatrizi氏がコーディネーターとしてセッションをまとめた。僕の論文は、自分が2001年から関わってきたアジア近代建築ネットワーク(modern Asian Architecture Network)のアジアにおける20世紀近代都市遺産の保存、再生活動がドイツの文化人類学者ユーゲン・ハーバーマスの論じた「公共圏」の一例であることを述べたものだ。こうして、他分野の研究者たちと一緒に自分の興味がある「アジア」という視点から研究を行うことはとても有意義でフレッシュな気分になる。他にも梶原景昭、樋田満氏を含めたパネルでは、アジアのsocial dreamingをテーマに政治と社会についてのセッションが開かれ、アジア研究における国士舘大学の存在感 が大きく現れていた。国士舘大学にはこうして真剣に大学を代表して国際的に研究成果を発表していくセンターがあることを誇りに思う。大学もどんどんこの国際的なセンターを支援していってもらいたいと願っている。
【GK】