Friday, October 12, 2007

スリランカではアジアの建築家たちが集まった




2007.10.11

最近、頻繁に出かける海外出張で出席する国際会議での僕の役目をお話します。時には日本を、時にはアジアを代表して会議に出席していますが、いつも心がけていることは、日本やアジアの建築界の諸問題をグローバルな視点をもって伝えることです。そして、諸外国の意見を聞き、その場で発信される情報を収集、解釈、分析し、アジア、日本の建築界が理解できる情報を持ち帰り正確に伝えることが自分に与えられたミッションだと自負しています。

明日からヨーロッパですが、その前に書き残していた9月の旅のまとめを書きます。

9月にはクアラルンプールで開かれたアガカーン賞授与祝賀式典に行ってきましたが、その後、ARCASIA Forum 14(9月15日〜20日)にも参加しました。
2日間のアジア建築家評議会 (ARCASIA) 理事会では韓国のK.C. Yi会長のもとでマレーシアのTan Pei Ingさん、バングラデッシュのMubasshar Hussein氏とともに副議長を務めました。とくに大きな問題はありませんでしたが、今後ARCASIAをアジア地域において建築家協会の連合組織として国際的にどのような位置づけをもつかを議論し、特に国際建築家連合(UIA)との関係などを念頭において地域の範囲を定義しました。変動するアジアに対して十分に有効な組織で有り続けることを目的として一丸となって活動していかなければならないと感じました。もちろん、各国の国内事情がありますが、グローバルな時代のなかで国内事情に内向的な視野から取り組んでいくのではなく、外向的なスタンスで解決していくのが必至だといつも思って活動しています。

2007年のARCASIA Forumはアメリカ建築家協会よりゴールドメダルを授与されたニューメキシコの建築家アントアン•プレドック氏を基調講演者として迎え、1時間余り50年にわたる建築家としてのキャリアを語って頂きました。スライドを交えた講演では、氏の力強い初期の作品から、近年の奇想天外、創造的な建築までを「思想家・夢想家」的なノリで近作などを紹介されました。そのほか、最近、国際舞台で人気上昇中の若手建築家たちも登場しました。日本からは手塚貴晴さん、韓国からはCho Minsukさん、タイからはDuangrit Bunnagさんが発表し、同時にシンガポールからは環境建築家の大御所Tay Kheng Sungさんが講演者として参加されました。僕もChoさん、Duangritさんのセッションのモデェレーターを務めました。
このような会議に参加していつも思うのですが、地元の建築家、学生たちにとっては貴重な体験であり、「伝える」ということの重要性を改めて認識しました。また、地元のホスピタリティは素晴らしく、担当者たちはとても親切で一生懸命になって僕たちに対応してくれました。もちろん、僕も様々なイベントや会議の開催に関わっていますが、同じような心こもったホスピタリティを提供していきたいと思っています。
ARCASIAの会合では、毎年、最後の夜の「フレンドシップナイト」がフィナーレとなります。この夜は、17カ国からなるARCASIAメンバー国の代表が自前のパフォーマンスを披露します。日本は浴衣、着物、じんべえ姿で「神田川」を歌いました。
仙田会長夫妻、古谷誠章一家、太田隆信夫妻などを含む日本チームは、みごと二等賞を獲得しました。ちなみに選曲は国広が担当し、衣装は仙田会長夫人が担当されました。来年のARCASIA ACAは韓国、釜山で開催されます。

                                                         【GK】

No comments: