Sunday, April 27, 2008

世界遺産の大学キャンパスとバラガン修道院







2008.02.17

今日はコンぺ審査委員のフェリーペ•リアール教授の案内でメキシコ国立大学のキャンパスを午前中に案内してもらうことになった。ちょうどアメリカのテキサス大学から学生と教員が交換留学で滞在中の彼らとキャンパス巡りをするという。引率の教員はなんと僕のコロンビア大学の教え子のミゲール•リヴェラ君のパートナーだということが分かり、びっくりした。早速、国際電話でテキサスに電話を掛けてもらって12、3年ぶりにミゲールと話をした。彼等はテキサスでアトリエ事務所を構え、がんばって良い作品を発表しているらしい。懐かしかった。
フェリーペと合流したあと、学生たちとレンタル自転車でキャンパスを周り建築を見学した。広大なキャンパスは環境共生型の開発をしており、また、世界遺産にも登録されているモダニズムの名作である。
壁画で有名なキャンパス棟、地元の溶岩から切り出した石材を使用したスタジアム、最新の現代美術館の施行現場、そしてフェリーぺが設計を手がけたサッカーグッズショップなどメキシコ近現代建築の50年が一度に体験できたことで上機嫌になった。
午後はメキシコで最も著名な建築家、1980年度プリッツカー賞受賞者ルイス•バラガン設計の修道院を訪れた。外観は全く内部の空間のドラマを感じさせない町並みに馴染んだファサードだ。門をくぐって内部に入るとコートヤードが中央にあり、そこにはバラガン建築独特のピンクの格子と噴水が明るいメキシコの太陽を受けて空間を引き立てていた。修道院の内部も、壁面のテクスチャーと窓から差し込む光が程よく礼拝堂内を反射、拡散し神秘的な空間を創りだしている。中央教壇の背後にある壁にはバラガンのコラボレーターとして多くの家具や彫刻をデザインしたドイツ人アーティストMathias Goeritzによる金箔に塗られた三分割の木製版が輝いていた。
明日は、バラガン邸とレゴレッタ建築、そしてフリーダ•カロとディエゴ•リヴェラの世界を見に行く。

メキシコに来て感じたのは、歴史と文化が芸術により,各時代を明確に表現されていることだ。ソビエト連邦においての革命までが、トロッツキーとカロとリヴェラによって芸術化されているのも不思議だといえよう。

                                                          【GK】

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