Monday, July 07, 2008

「男女共学、勉学環境は区画?」







2008.3.25

僕が招待された国際都市計画会議はアジマン(Ajman)という首長国で開かれた。AjmanはSharjahの東に位置する小さな首長国だ。UAEというと、アブダビ(Abu Dabi)とドバイDubaiが資源豊かな首長国で世界中が注目している首長国-都市だが、Ajmanは3方をSharjahに囲まれた狭小首長国で油田は皆無と言っていいほど産出されていない。基本的には、Abu Dabi, Dubaiの石油・金融資源によって他の5首長国の経済が成立していると言っていい。したがって、首長国会議の議長、つまり大統領はAbu Dabi の首長であり、首相はDubaiの首長一族からでているという決められた形態でこの国は成り立っている。
Ajman University of Science and TechnologyとAjman都市計画局の共催により企画されたこの会議にはリチャード・マイヤー、ピーター・アイゼンマン、ハンス・ホラインなどの著名建築家も招聘されていた。
僕たち招待者一行はバスでAjman宮殿へRulerと呼ばれる首長への表敬訪問をおこなった。宮殿の応接間は大理石張りの比較的質素な内装で奥行きが極端に長い平面をもつ部屋だった。
到着後数分待機しているとRulerが2階より下りてきて一行を迎えた。とくに会話がある訳でもなかったが、記念写真を撮って表敬訪問はあっという間に終わった。正式訪問が終了しRulerが退席したあと、一行はバスに戻り、会議の会場となる大学へと向かった。
大学に到着して、ちょっとびっくりした。ここは男女別々の教室で勉強するようになっている。大学の出入口、教室群、教員との面談時間帯などはすべて男女別々になっていた。つまり、キャンパス内では男女学生それぞれが顔を合わせることが出来ないのだ!今回の国際会議で初めて一つの部屋に男女が出入りすることができたのだ。会場は左側に女子学生、右側に男子学生、中央に一般聴講客というようにレイアウトされていた。僕は自然の流れで左側に座った。国際会議のテーマは「都市の未来について」で、Ajmanではドバイなどの開発を見ながら自らも開発に乗り出そうという目論みらしい。僕はmAAN活動を中心とした都市再生をテーマに講演した。
さて、講演が終わると、僕の周りに学生が集まり、サインを求められた。彼らにとってこれだけの講師が集まる国際会議にとても興奮している模様だ。僕は、スケッチを描きサインをしてあげると、たちまち噂が広まり、他の発表者が講演している最中でも僕の前には学生の列が絶え間なく並んだ。とくにさまざまな姿をしたイスラム系女子学生に囲まれたが、黒服を着用し目だけしか見せていない学生、頭にスカーフを被った学生からミニスカートの派手やかな姿をした女子学生などイスラム女子学生たちのこの幅広いスタイルにびっくりした。僕にとってイスラム系の学生たちと接触できる楽しい国際会議となった。
その夜はRuler一族が所有する砂漠の別荘で歓迎会が開催された。
砂漠のど真ん中に位置する大邸宅、まるでアリゾナの砂漠にでもいるような現代建築が広い敷地に建っていた。鷹使いが1000万円もする鷹を披露してくれ、ラクダ使いがラクダを披露してくれ、アラブスタイルのマスクを被った女性たちがアラブ風のパン焼き風景をしてくれた。歓迎会はこのモダンスタイルの邸宅のプールサイドで行われた。DJ音楽、センセイショナルな花火ショーなど華やかなエンターテインメントを背景にノンアルコールパーティは無事に閉会した。歓迎会は今日のUAEを物語っていると思った。


【GK】

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